VPNとリモートデスクトップは安全?企業のセキュアなリモートアクセス戦略について解説

大手電機メーカー系のSierに入社後、インフラエンジニアとしてLinuxサーバーの構築や保守・運用、ソフトウェアの開発業務を経験。アイティベル入社後は、IT領域の執筆などを行う。


リモートワークの浸透は企業の働き方を根本から変革し、多くの利便性をもたらしました。しかし、セキュリティ上の複雑な課題も抱えています。情報システム担当者は、常に変化するサイバー攻撃の脅威に対応しつつ、効率的なリモートアクセス環境を維持しなければなりません。

こうした課題に対処するための有効な手段として、VPNとリモートデスクトップの統合が挙げられます。この記事では、VPNとリモートデスクトップの組み合わせの重要性や利用メリット、使用シナリオ、セキュリティの留意点、最新トレンドについて解説します。

目次

1. VPNとリモートデスクトップの組み合わせの重要性 

リモートデスクトップとは、一つのコンピューターから別のコンピューターへの遠隔アクセスを可能とする技術です。ユーザーは個人所有のPCやデバイスから企業のサーバーやオフィスコンピューターにアクセスし、遠隔地から通常の業務を行えます。

リモートデスクトップは、リモートワークが普及した現代の企業環境に不可欠なツールです。しかし、セキュリティ上のリスクも多く抱えています。この章では、リモートデスクトップのセキュリティリスクと、VPN接続による対策について詳しく解説します。

リモートデスクトップ接続のセキュリティリスク

リモートデスクトップ接続の主なセキュリティリスクは以下のとおりです。

不正アクセスのリスク

リモートデスクトップを使用する際、ユーザーはインターネット経由で企業の内部ネットワークにアクセスします。このとき、適切なセキュリティ措置が取られていないと、悪意のある第三者に不正アクセスされるおそれがあります。

特に、未保護のネットワークを通じたデータの転送や、機密性の低いパスワードの使用などは、脆弱性を露呈させる原因となるため注意が必要です。

公共のWi-Fiとネットワークの脆弱性

リモートデスクトップはインターネットを介して社内の重要なシステムにアクセスする仕組みです。そのため、カフェや公共施設のフリーWi-Fiのような、保護されていないネットワークを使用すると、重大なセキュリティリスクが生じかねません。公共のWi-Fiは悪意のある第三者も容易にアクセスできるため、データの盗聴や不正アクセスなどの被害を受けるおそれがあります。

また、ネットワークに脆弱性があると、中間者攻撃の格好の的となります。中間者攻撃は、攻撃者がリモートユーザーとリモートデスクトップサーバーの間に入り、通信を盗聴して企業の重要な情報を傍受する極めて危険な攻撃です。

不適切なセキュリティ設定のリスク

リモートデスクトップ接続では、企業の内部ネットワークとリモートユーザー間でデータが転送されます。データが暗号化されていない場合や、ポート設定が不適切な場合、攻撃者がデータのやり取りを傍受し、機密情報が盗まれるリスクがあります。

データ送受信中の傍受は、被害にあったことすらわからないケースが多く、被害拡大の大きな原因となります。

VPNによるリスク軽減のメカニズム

リモートデスクトップ接続に伴うセキュリティリスクは多岐にわたりますが、VPNを適切に導入することでリスクの軽減が可能です。データの暗号化、プライベートデバイスの管理、セキュリティインシデント時のログ分析により、リモートアクセス時のセキュリティ強化を実現できます。

VPNがリモートデスクトップ接続のセキュリティを向上させるメカニズムについて詳しく解説します。

データの暗号化

VPNが提供する主要な機能の一つは、データの暗号化です。暗号化により、業務データを安全に送受信できるようになります。

VPNはトンネリング技術を用いて、インターネット上の不安全な環境を通過するデータを暗号化し、専用の「トンネル」を介してデータを送受信します。このトンネル内部では、ファイアウォールによる追加の保護が施され、外部からの不正アクセスやデータ漏えいのリスクを低減します。

また暗号化されたデータは、中間者攻撃などの外部脅威に対して耐性があり、仮に傍受されても内容を解読することは非常に困難です。この機能は、特にリモートワーク中や公共Wi-Fiの使用時など、セキュリティが不確実な環境下でのデータ保護には欠かせません。

さらに、VPNの暗号化機能は、IPS(侵入防御システム)やアンチウイルスソフトウェアとの連携により強化されます。IPSはネットワークトラフィックを監視して不審な動きを検出し、アンチウイルスはマルウェアやウイルスの侵入を阻止することが可能です。VPNを通じて送受信されるデータの安全性をさらに高め、企業のネットワークセキュリティ全体の強化を図れるでしょう。

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プライベートデバイスの管理

BYOD(Bring Your Own Device)ポリシーとは、従業員が個人所有のプライベートデバイス(スマートフォン、タブレットなど)を職場で業務に使用することを許可するルールです。このポリシーは柔軟な働き方を提供する一方、セキュリティ上のリスクも伴います。

VPNを導入すれば、BYODポリシーのセキュリティリスクの低減が可能です。具体的には、個人のプライベートデバイスが企業ネットワークにアクセスする際、その接続がセキュアであることを保証してくれます。

このように、BYODポリシーとVPNを統合することで、従業員は自分のプライベートデバイスを利用しながらも、企業の定めるセキュリティ基準を守れます。企業は従業員の柔軟な働き方をサポートしつつ、セキュリティを維持できるでしょう。

セキュリティインシデント時のログ分析

VPNの導入により、セキュリティインシデントが発生した際の迅速な対応が可能となり、影響を最小限に抑えられます。

例えば、システム障害が発生した際、通常は保守事業者が現場に赴いて対応しなければなりません。しかし、VPNを利用すれば、遠隔地からでもシステムにアクセスでき、スピーディに問題を解決できます。

また、セキュリティ攻撃が検出された際、VPNは特定のユーザーやデバイスのみにアクセスを許可します。感染した部分の隔離と安全なエリアの保護が可能となるため、感染拡大を防ぎながら迅速な復旧作業を行えるでしょう。

さらに、VPNが行う接続ログの記録には、ユーザーID、接続元IPアドレス、接続時間、使用されたプロトコルなどが含まれます。セキュリティインシデントが発生した場合、これらのログを分析することで攻撃元や使用された手法を特定し、効果的な対応が可能です。

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2. VPNとリモートデスクトップの利用メリット4選

VPNとリモートデスクトップの組み合わせにより、企業のセキュリティを大幅に強化し、容易なアクセスを実現可能です。データ保護を確実に行えるほか、通信の安全性も暗号化を通じて確保されます。これらの技術の相乗効果により、リモートワークの効率も大きく向上するでしょう。

この章では、VPNとリモートデスクトップの組み合わせがもたらす4つのメリットを、実践的な観点で解説します。

メリット1. 暗号化による通信の安全確保

リモートデスクトップ接続にVPNを使用する最大のメリットは、暗号化による通信の安全性が向上することです。暗号化された通信トンネルを通じて、安全に情報を送受信できます。

例えば、従業員がカフェの公共Wi-Fiを使用して業務にアクセスする際、VPNはデータを暗号化し、中間者攻撃などの脅威から企業ネットワークを保護します。万が一攻撃者が暗号化されたデータを傍受しても、その内容を理解することはほぼ不可能です。

メリット2.アクセスの簡便化

VPNとリモートデスクトップを組み合わせることで、遠隔地からでも社内システムや業務系サーバーへ容易かつ安全にアクセスできるようになります。

従業員はどこにいても社内のデスクトップ環境を手軽に利用できるため、作業効率が向上するでしょう。例えば、従業員の多い企業では、帯域幅の広い専用VPNを設置して、従業員が自宅などから、音声や映像の遅延無く、テレビ会議に参加できているケースもあります。シームレスなアクセスは、リモートワークの柔軟性を大幅に強化し、スムーズな業務遂行を実現します。

メリット3.モバイル端末によるアクセスとデータの安全性

VPNとリモートデスクトップを併用すれば、ユーザーはPCだけではなく、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末からでも社内のデスクトップ環境へ安全にアクセスできます。

データは企業のサーバーに保存されるため、万が一モバイル端末の紛失や盗難が発生しても、端末からの重要なビジネスデータの漏洩リスクは大幅に軽減されます。

メリット4.災害時のビジネス継続性の確保

VPNのメリットとして見落とされがちなのが、災害や緊急事態におけるビジネス継続性を大きく向上させる点です。自然災害やパンデミックなどの予期せぬ事態が発生しても、従業員は安全な場所から業務を継続でき、企業はビジネスの中断を最小限に抑えられます。リモートアクセスの柔軟性とセキュリティの両立により、組織のレジリエンスを高めることが可能です。

3.VPNとリモートデスクトップの使用シナリオ

ビジネスや教育分野におけるリモートデスクトップとVPNの活用法はさまざまです。それらがどのようにシステムとネットワークの安全性を確保しつつ、効率的なリモート作業や教育を実現するかについて解説していきます。

ビジネス分野での利用例

実際の企業事例を踏まえて、遠隔地からの安全なアクセス、ファイル共有、データ管理の改善方法など、ビジネス分野におけるVPNとリモートデスクトップの利用シナリオを紹介します。

リモートワークのセキュリティ強化

リモートワーク環境のセキュリティを強化するうえで、VPNを介した安全な接続は必須です。
ある金融機関では、従業員が自宅から社内ネットワークへ安全にアクセスするために閉域のVPNを導入しました。この設定では、リモートからのすべてのトラフィックがVPNを通じて暗号化され、安全なトンネルを経由して社内サーバーにルーティングされます。これにより、従業員はインターネット上の潜在的な脅威から保護され、安全に作業を行えるようになりました。

同社は、通信のセキュリティ強化に重点を置き、VPN接続において強力な暗号化アルゴリズムとセキュリティプロトコルを採用しました。例えば、TLS(Transport Layer Security)やIPsec(Internet Protocol Security)などの高度な暗号化プロトコルを利用することで、リモートアクセス中のデータが第三者によって傍受または改ざんされるリスクを最小限に抑えています。

コラボレーションと生産性の向上

リモートデスクトップとVPNの組み合わせにより、社内外問わずにチームメンバーと業務を進められます。
あるマーケティング会社では、従業員がVPNを通じて社内ネットワークにアクセスし、リモートデスクトップを介して社内ネットワークにあるプロジェクト管理ツールやCRM(顧客関係管理)システムを利用しています。従業員は顧客データへのアクセス、マーケティングキャンペーンの計画、チーム間の情報共有と進捗確認をリアルタイムで行うことが可能です。

また、統合されたリモートアクセスシステムにより、従業員はどこからでも即座にファイルやデータベースへアクセスし、文書の編集、データ分析、レポート作成などの業務を効率良く遂行できます。

このように、VPNとリモートデスクトップの併用は、チーム間のスムーズなコミュニケーションと情報の共有を促進し、リモートワークにおける生産性を大きく向上させる効果があります。

教育分野での利用例

VPNとリモートデスクトップは教育現場でも活用されています。教育者や学校管理者が、どのようにこれらの技術を用いて、オンライン学習プラットフォームの管理や学習管理システムへのアクセスを効率的に行っているかを解説します。

オンライン学習プラットフォームへのリモートアクセス

リモートデスクトップとVPNは、教育コンテンツの配信や更新など、多くの場面において重要な役割を果たしています。
例えば、教員がリモートワークで成績表や出欠簿などの重要データを含むドキュメントにアクセスする際、リモートデスクトップとVPNを統合していれば、安全かつセキュアな環境での作業が可能です。これにより、USBメモリの紛失、データ漏洩などのリスクが大幅に減少し、生徒の個人情報保護や全体のセキュリティ強化につながります。

リモートワーク時代の教育環境

「ニューノーマル時代」においては、教員のリモートワーク対応がますます重要となっています。学校が支給するPCには、文部科学省の「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」に沿ったセキュリティ対策が施され、データの暗号化や遠隔消去機能などが備わっています。
さらに、シンクライアント環境やセキュアブラウザを使用することで、学校外からでも安全に学校のシステムにアクセスし、教育コンテンツの更新や学習管理を行えます。

教育システムの統合と運用の効率化

校務システムと学習系システムが異なる端末で運用されている場合、教員は複数のデバイスを持ち歩く必要があり、業務が煩雑になりがちです。そのため、教育現場では、これらのシステムを1台の端末に統合し、コストや運用の効率化が図る動きが見られます。リモートデスクトップとVPNの活用は、こうした複合的な教育環境においても、教育の質を保ちつつセキュリティを確保するための効果的な方法です。

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4. VPNとリモートデスクトップのセキュリティの留意点 

VPNとリモートデスクトップの組み合わせはセキュリティと利便性を高める一方、セキュリティ上の留意点も存在します。

この章では、二要素認証の重要性、エンドツーエンドの暗号化技術、そしてプライバシーポリシーに基づくデータ取り扱いのベストプラクティスに注目して、リモートアクセスの安全性を保つための要素を解説します。

二要素認証の使用

VPNとリモートデスクトップを利用する環境においては、二要素認証の採用が不可欠です。単一のパスワードに依存するセキュリティは、パスワードの強度に関わらず、常にセキュリティインシデントが発生するリスクを伴います。二要素認証は、ユーザーが本人であることを確実に証明するための保護手段です。

例えば、IDとパスワードの組み合わせに加えて、ユーザーが所有するスマホに送信される一時的なコードを使用する方法があります。ユーザーはIDとパスワードでログインしたあと、モバイル認証アプリやSMSで受け取ったコードを入力する必要があります。こうした二段階のプロセスにより、万が一パスワードが漏洩した場合でも不正アクセスを防ぐことが可能です。

また、IDとパスワードに加えて、指紋認証、顔認証、虹彩認証などの生体認証を使用する方法もあります。ユーザー固有の生体情報をセキュリティ要素として利用することで、安全性が大きく向上します。

エンドツーエンドの暗号化

エンドツーエンドの暗号化は、データが送信される際に、その起点から終点までのデータを暗号化し続ける方法です。データがユーザーの端末から企業のサーバーに転送される間、中間者による傍受が事実上不可能になるため、データの読み取りや改ざんの防止につながります。

VPN接続においては、SSL(Secure Sockets Layer)やTLS(Transport Layer Security)などの暗号化プロトコルが用いられます。これらのプロトコルは、通信データを暗号化して外部からの不正アクセスやデータ漏洩を防止します。例えば、リモートワーカーがVPNを通じて企業ネットワークにアクセスする際、データは端末からVPNサーバーへと暗号化された状態で転送されるため、セキュリティを確保できます。

さらに、エンドツーエンドの暗号化は、中間者攻撃やスニッフィングのような脅威への対策としても有効です。
暗号化された通信は、たとえ傍受されたとしても、内容を解読することが非常に難しく、データの機密性と完全性が維持されます。

このように、エンドツーエンドの暗号化は、企業のセキュリティ体制を強化するための重要な技術といえるでしょう。

プライバシーポリシーに基づくデータ取り扱いのベストプラクティス

プライバシーポリシーは、企業のセキュリティと情報管理において重要です。従業員や顧客の個人データ保護を保証し、企業がデータを安全かつ責任をもって扱うための指針を示します。

企業は、プライバシーポリシーを策定し、セキュリティ体制に統合する必要があります。従業員や顧客データへのアクセスを管理するルールを設け、データアクセスのログ記録や監視体制を確立しなければなりません。また、従業員への教育も必要です。プライバシーポリシーに基づき、データを適切に取り扱うことでデータ漏洩リスクを軽減できるほか、セキュリティインシデント発生時の迅速な対応につながるでしょう。

5. VPNとリモートデスクトップの最新トレンド

この章では、VPNとリモートデスクトップの最新トレンドとして、クラウドベースのVPNとゼロトラストセキュリティモデルについて解説します。データ保護の最前線に立つこれらの技術は、現代のビジネス環境における安全性と効率性を確保するために欠かせない要素です。

クラウドベースのVPN

クラウドベースのVPNは、リモートワーク環境におけるセキュリティと柔軟性を向上させるツールとして登場しました。従来のVPNソリューションが物理的なデバイスやオンプレミスの設備に依存していたのに対し、クラウドベースのVPNはインターネットを介してVPNサービスを提供します。

クラウドベースのVPNのメリットは以下のとおりです。

メリット.1 分散した接続ポイントと障害対応力

クラウドベースのVPNは、オンプレミスのVPNサーバーのようにデータを一箇所に集めるのではなく、インターネット上のさまざまなクラウドVPNサーバーに分散させてデータを保存します。これを「分散型アーキテクチャ」と呼びます。

この特性により、VPNサーバーがダウンしてもほかのサーバーが稼働している限り、サービスは継続されます。

メリット.2 簡単なセットアップと管理

リモートアクセスの設定と管理が容易であることもクラウドベースのVPNのメリットです。物理的なデバイスの設定やメンテナンスは必要ありません。また、セキュリティ更新やポリシーの変更をリアルタイムで行えるようになるため、IT担当者の作業負荷が軽減され、より迅速にセキュリティ対策を実施できます。

メリット.3 拡張性と利便性

クラウドベースのVPNは拡張性と利便性に優れています。企業の成長や従業員数の増加に合わせて、VPNの使用範囲を簡単に広げることが可能です新しいプロジェクトにより、一時的に多くのリモートアクセスが必要になった場合でも、クラウドベースのVPNであれば迅速に対応できます。

ビジネスが縮小した場合も同様に、サービスを簡単に縮小できるため、より効率的な運用が可能となります。

ゼロトラストセキュリティモデル

ゼロトラストセキュリティモデルとは、従来の境界防御型セキュリティの課題を解決するために提案された新しいセキュリティアプローチです。VPNとリモートデスクトップにゼロトラストセキュリティモデルを統合することで、リモートアクセスのセキュリティが強化されます。

ゼロトラストセキュリティは、内部ネットワークでさえ信頼しないという前提のもと、すべてのアクセス試行に対して検証を要求する考え方です。
こVPNを通じたリモートアクセスにおいても、単なるIDとパスワードの組み合わせでは不十分とされ、追加の任意の認証要素が要求されます。たとえVPN接続が確立されても、ゼロトラストモデルはユーザーの身元まで確認し、適切なアクセス権限のみを与えるため、外部からの侵入者だけでなく内部の脅威にも対応可能です。

6.まとめ

この記事では、VPNとリモートデスクトップがもたらすセキュリティの強化や、リスク管理の方法、実務での応用例について解説しました。

VPNとリモートデスクトップの統合は、リモートワークを安全かつ効率的に行うための基本です。今後もテクノロジーは進化し続け、ビジネスのニーズに応える形でセキュリティ環境は変化していきます。こうした変化に柔軟に対応し、常に安全なリモートアクセス環境を維持することが重要です。

この記事を参考に、VPNとリモートデスクトップを効果的な活用し、セキュリティ対策と業務効率化を実現しましょう。

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